Vogueの会 ~2012夏~



夏、真っ盛りのワイン会。
Brasserie Paul Bocuseにて



料理は鴨。

昨夜は、とある趣旨のワイン会でした。




アペリティフはラ・ヴィネでも人気のクレマンから
◆Cremant de Bourgogne Metisse S.A. Domaine Verret


この夏のお勧めでご紹介しているドメーヌ・ヴェレのメティスは、ラベルを見ずに飲んだらシャンパーニュと思うことでしょう。しっかりと熟成が施されシャブリ近辺のチョーク質のシャルドネ、ピノノワールからもたらされる味わいは、余韻に綺麗なミネラルを残します。




◆Champagne Deutz Blanc de Blancs Millesime 1988
(Mesnil sur Oger 50%, Avize40%, Villers-Marmery10%)

間髪を入れず銘酒の登場!この時代のシャンパーニュは、本当に見つけるのが困難になってきました。メニル、アヴィズがほとんどを形成するシャルドネを20年待つと、その繊細かつ優雅な風味が素晴らしいですね。

柑橘の細く長い爽やかさに、モカやカラメルがごく上品に膨らんできます。アフターには潮気をのこすミネラルの心地良いにがみのコク。




・蜂蜜とシャンパーニュでマリネしたポワローとフォアグラのテリーヌ クレソンピュレのドーム

重すぎないフォアグラの上品な脂質の甘いコクと、西洋葱の甘み、にがみ、クレソンの柔らかくグラッシーな香り。これが見事に調和した前菜。相性も抜群です。





◆Bourgogne Blanc 2006 Domaine Comte George de Vogue

以前はミュジニの区画に植えられた唯一のシャルドネで、特級ミュジニ・ブランを名乗っていたワインで、葡萄樹の植え替えによって今はブルゴーニュ・ブランを名乗るワイン。

驚異的な余韻の長さを持ち、白の優良年で知られる2006年の豊かさはグラスに収まることを知らず、そのアロマはテーブル全体の頭上にオーロラのように鮮やかに広がってしまいます。

シャンボール・ミュジニはコート・ド・ニュイでもほとんど粘土を含まない強い石灰質から生まれるワインで、若いうちはエレガントながら強い主質をもちます。歴史的にヴォギュエ家では硬く引き締まったミュジニの緊張をほぐすために、シャルドネを植え、これを混ぜていたとの話もあります。エルミタージュの逸話に似ていますね。

まだこの白は若い為ポテンシャルの一部しか見せていませんが、一流の作り手のコルトン・シャルルマーニュやシャブリ・グランクリュと並ぶ銘酒であることには間違いありません。




・北海道産帆立貝のポワレ ピンクペッパー、ハーブの薫るブールブランソース
   グレッグレギューム セルバチコを添えて

ミネラルの潮気と素材の甘み、ハーブのにがみ、バターのコク、脂肪分のふくらみ、ギリシャ風マリネの爽やかな酸が融合。どの風味もワインに含まれる要素で、心地よいマリアージュ。




◆Chambolle Musigny 1994 Domaine Comte George de Vogue (en Magnum)

そう、今日はシャンボール・ミュジニ、主にヴォギュエに視点を定めた食事会だったのです。18年の熟成を経たマグナムボトルはコンディションも良好、綺麗な透明感のあるガーネット色のワインから、甘く誘惑的な香りが最初は控えめに上がってきます。




◆Chambolle Musigny 2009 Domaine Hudelot Baillet

しっかりと熟成したヴィンテージと90年代という時代背景、15世紀までさかのぼることのできる歴史あるヴォギュエ家のワインに対し、98年から元詰めを初めモダンスタイルのシャンボール・ミュジニを造るユドロ・バイエの2009年との対比です。




・軽く燻製をかけた鴨胸肉のロースト ソースヴィオレット 新緑の野菜と共に
  松の実と鴨もも肉のコンフィのクルスティヤン

スミレの花を添え、ロゼ色に焼き上げられた鴨、
オレンジやレモンの柑橘、赤ワインとベアルネーズで仕上げられたソースが絡み、
シャンボールのイメージに寄り添っていきます。

1994年は決して強いヴィンテージではありませんが、食事をやさしく包み込む包容力と
華やかで可憐なイメージそのままの味わいでした。

ボトル下部に向かって日が暮れていき、オレンジににじむ黄昏の夕焼け、
役割を終えて漆黒の夜に向かっていくような深く静かなイメージで杯を終えました。




・桃のコンポート

メインまで満喫した後は桃のフレッシュな甘みで癒され




食事の〆にもう一度、
◆Marc de Bourgogne S.A. Domaine Comte George de Vogue

ヴォギュエのミュジニなどの絞りかすから造られるマールです。

琥珀のブランデーは心地よい酸と木の実の風味、チョコレートやコーヒーの香りを発し、純度の高い練れた主質はす~っと身体に染み入っていきます。

***

今日も素晴らしい食事、それを提供してくれたレストラン、シェフの腕、
支配人の細やかなサービス、同じ時間と感覚を共有した同席者たちの笑顔、
この日のために遥か日本に運ばれてきた其々のワイン、
それを造り続けてきた生産者など、

様々な出来事が重なって、今日の食事があったんだな、と
改めて目の前にあることに感謝した一日でした。

そしてヴォギュエの世界観を再体験。

手に留まりそうでひらひらと 鮮やかなる蝶は去っていく
確かに微笑んでいたはずだと、それを追いかけまた迷いの森へ・・・